下賀茂神社、上賀茂神社は有名ですが、「賀茂の厳神、松尾の猛霊」と京都を鎮護する両巨頭とされた松尾大社は、あまり有名ではありません。
しかし、その迫力は昔そのままですし、境内も広いです。
何より、それほど有名ではないだけあって、静かに散策ができます。
松尾大社に行ったというだけで、少し京都通になれるかも。
そんな松尾大社の見どころ、御利益、アクセス、駐車場等をお伝えします。

松尾大社ってそんなに有名ではないね。

有名ではないからこそ穴場なんです。酒造関係者なら知らない人はいない神社です。それにちなんだ色々な見どころもありますよ。
お酒の神様として有名~酒造神~
神社とお酒のつながりは強く、神社に行くと酒樽を見ることがあると思います。
しかし、松尾大社の酒樽の量がすごい。
それこそ、伊勢神宮とか全国的に有名な神社レベルにあります。
松尾の神が八百万の神が集まった時に、一晩でお酒を造って喜ばれたと神話の時代からの言い伝えがあります。
江戸時代頃には、松尾大社が酒造りの人々に信仰対象として広がっていたようです。
酒樽は、有名どころが満載です。
越乃寒梅、剣菱、八海山、黄桜、日本盛等々様々な酒樽があります。
自分の好きな酒樽を探して写真を撮るのも面白いかもしれません。
ちなみに阪神タイガースマークの酒樽もあります。
お酒に混ぜると腐敗しない「亀の井」の水~延命長寿の神水~
神社の少し奥まったところに、「亀の井」と呼ばれる裏の山から出てくる湧水があります。
延命長寿のご神水であり、別名「よみがえりの水」とも呼ばれています。
御利益にあやかりたいものです。
この湧水なのですが、「亀の井」というだけあって、水が出てくるのは亀の口からです。
これも、珍しいものだと思います。
このお水は、近隣住民がポリタンクで汲みに来ている姿が時おりみられます。
神社の方に確認したところ、裏山の湧水で飲用できるとのことでした。
さらには、参拝者の方なら、自由にペットボトル等で汲み放題ともおっしゃってくださいました。
ペットボトルがないという方の為には、神社の方で厳かな瓶が用意されています。
さらには、この水をお酒に混ぜて醸造すると腐敗しないと言い伝えらています。
酒造関係者・醸造関係者が参拝に訪れ、水を汲んでお酒等を造ったそうです。
平成のご遷宮の折には、アサヒ、ミツカン、宝酒造などが高額な奉賛者となっています。
境内には、お酒の資料館があり、お酒の歴史を学ぶこともできます。
「亀の井」の元を辿れば
亀の井の前には小さな川が流れています。
この川の先を見てみると、滝が見えてきます。
この滝は、「霊亀の滝」と呼ばれており、滝の目の前に小さな鳥居があります。
最初に松尾大社に入ってから、境内に滝まであることに驚かれると思います。
雰囲気は静寂そのもの。
近年は、癒しのスポットとして有名なので、癒しを感じてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、岩肌が天狗の顔をしていることから、天狗岩とも名付けられている岩があります。
探してみてください。
亀の口から出る延命長寿のご神水、滝と鳥居の荘厳な風景など見どころ満載です。
亀の井、霊亀の滝への行き方なのですが、少々、分かりづらいところにあります。
本殿に向かって右に歩いていくと「磐座登拝道入口」と書かれた神社の回廊を潜る道がありますので、そちらを潜ってください。
ちなみに、先ほどの神水ような瓶ですが、潜った先の社務所の前にあります。
磐座(いわくら)は、参拝不可能
磐座とは、古神道における岩そのものに対する信仰の事を言います。
松尾大社では、裏山頂上付近に巨大な岩石があり、ここにご祭神が祀られていました。
昔は、この磐座を参拝することができたのですが、現在は、参拝不可能です。
残念ながら、平成30年の9月の台風で参拝道に倒木、山崩れ等がありました。
そのため、参拝道の修復が不可能になり、今後磐座登拝は禁止されています。
境内結構亀尽くし、鯉もいっぱい
亀の井の注ぎ口が亀であるのは分かりますが、手水舎(神社に入って手を清める所です)まで亀です。
このほかにも、幸運の撫で亀があったりします。しかも、二か所。
上のが本殿左側、下のが手水舎手前にあります。
ちなみに、幸運の双鯉もあります。
場所は、本殿右側です。
なぜ、亀と鯉を松尾大社が大事にされているか。
これは、松尾大社の大神様が保津川を上がっていかれるとき、急流では鯉の背に、穏やかな流れでは亀の背に乗って進んだと伝えられていることから、鯉と亀が神の使いとされているからです。
亀は不老長寿、鯉は出世開運を表しています。
亀と鯉を目で見て、触れてご利益にあやかれる神体が多々あります。
ちなみに、松尾大社による安全運転祈願の標語は
「亀のようにゆっくり、鯉の様にスイスイ」です。
なかなか、洒落っ気たっぷりだと思います。
亀に徹底的にこだわり、鯉にもこだわる稀有な神社です。
松尾大社が京都でも重要な神社であることが分かる場所
松尾大社の鳥居をくぐってすぐには京都府神社庁があります。
中には自由に入れて、パンフレットなどがいただけます。
これも少し面白いスポットだと思います。
京都駅からのアクセスは少し困りもの
一番近い電車の駅は、阪急電車嵐山線の「松尾大社」駅になります。
松尾大社駅を降りると、大きな赤い鳥居が見えるので、間違う事はありません。
ただ、この阪急電車嵐山線は桂駅からの支線であるので、桂から乗り換える必要があります。
例えば、京都駅からだと市営地下鉄で京都駅から四条烏丸まで行って阪急電車に乗り換えます。
それから、阪急電車の烏丸から桂まで行って、桂から松尾大社まで行く必要があります。
時間的には30分程度ですが、結構乗り換えが面倒くさいです。
地図的にも大分、迂回しているようなイメージを持たれると思います。
バスという選択肢もあります。
だいたい、京都駅から40分程度と言われています。
ただ、観光シーズンど真ん中の時は、あまりお勧めしません。
かなり込み合う四条通を使うからです。
京都駅からの個人的にお勧めな選択肢は、JR嵯峨野線で嵯峨嵐山まで行き、阪急電車の嵐山駅まで歩き、松尾大社に行くというコースです。
このコースで歩くと、嵐山の雰囲気は十分に堪能できますし、確実に渡月橋を渡ることにもなります。
嵐山で一日過ごすならば、是非ご検討ください。
嵐山観光の訪問先の一つみたいな位置づけがいいのかなと思っています。
駐車場
駐車場は三か所あります。いずれも無料です。
普段なら、大鳥居をくぐって右側に駐車場があります。
EV車ご利用の方なら、鳥居をくぐってまっすぐ進み、突き当りを左折すると見えてくる駐車場の中に無料充電スタンドがあります。
近辺ランチ
おススメ第一位
天ぷら松

こちらのお店は、天ぷらといいながら、懐石料理です。
結構、芸能人も来られます。
あのアンジャッシュの渡部建さんもおススメされています。
一品料理はなくコース料理なので、落ち着いて食べる感じでしょうか。
予約必須のお店です。
おススメ第二位
うなぎいっせい
嵐山に廣川というウナギの名店があるのですが、そこで修業されたご主人のお店です。
廣川がかなり予約が取りにくいお店になってきたので、こちらにお客が流れているとも聞く名店です。
個人的には、廣川よりもおいしいかなと思っています。
ただ、京都ですが江戸前鰻です。
値段的にも、少々リーズナブルですし、おススメです。
こちらも、予約された方がいいと思います。
おススメ第三位
ラーメン大輝

正統派醤油ラーメンなのですが、一つ飛びぬけたおいしさです。
いわゆる、京都たかばしの第一旭を筆頭とするイメージの京都ラーメンの中では最高峰だと思います。
是非、京都駅近くのたかばし第一旭と食べ比べてみてください。
極近ランチ
団ぷ鈴

松尾大社を訪れるもっともおすすめな日
松尾大社で最も見どころのあるお祭りが、神幸祭(おいで)と還幸祭(おかえり)です。
4月20日以降の第一日曜日がおいでで、それから21日目の日曜日がおかえりです。
この日は、松尾大社周辺が祭りの雰囲気に包まれます。
それこそ、松尾周辺を歩いているだけで、祭りの雰囲気を味わえます。
なんと、神輿が桂川を渡ります。担ぎ手も川に入ります。
その姿は非常に勇壮です。
何気にモーターボートで人の行き来があったりしますが、御愛嬌。
個人的に面白いなと思ったのは、法被を着たふんどし姿の担ぎ手が途中休憩している時に、白エビスビールを飲んでいたことです。
やはり、お祭りなので高めなビールが振舞われるのですね。
本殿について
本殿の屋根の造りですが、松尾造と呼ばれています。
珍しいもので、宗像大社、厳島神社、松尾大社の三社しかありません。
建築的にも非常に珍しいものです。
有料拝観
有料拝観で拝見できるところとして、松風苑があります。
上古の庭、曲水の庭、蓬莱の庭があり昭和を代表する現代庭園となっています。
さらには、神像館もあり、平安時代初期の座像等を拝見することができます。
御朱印
かなり昔のものですが
まとめ
松尾大社は、全国的には有名ではないが、京都らしさを感じることができる稀有な神社です。
おそらく、交通手段が限られているから、それほど有名ではないのかもしれません。
もし、嵐山周辺や、四条烏丸、河原町周辺に宿をとられるなら阪急電車でのアクセスは良いところにあります。
是非、訪問先として組み込まれることをお勧めします。
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